三重県指定伝統工芸品 | ||
三重県では、全国に誇りうる優れた伝統工芸のうち、産地規模が小さいために国の指定を受けることができない工芸品を「三重県の伝統工芸品」として指定しています。 |
根付はおよそ三、四センチほどの小さな彫刻で、江戸時代、印籠(いんろう)や煙草(たばこ)入れを帯に提げる留め具として用いられていました。
関東地方で象牙(ぞうげ)が多く使われてきたのとは対照に、伊勢根付は黄楊の木、それも、”木の宝石”と呼ばれる組成が密で堅い朝熊山産の黄楊を使うことが特徴です。
題材にヒキガエルやガマガエルが多いのは「客をひく」「無事かえる」と参宮の地らしい語呂合わせによるものです。幕末から明治初期にかけてこの地で作を成した名人・鈴木正直(すずきまさなお)により根付は彫刻芸術へと高められ、
現在、この地で活躍する根付作家もその作風を受け継いでいます。
伝統工芸品名 | 根付(ねつけ) |
使用時代 | 江戸~現在 |
使用材料 | 朝熊黄楊 |
特徴 | 黄楊の中で最も堅く、”木の宝石”とも呼ばれる「朝熊黄楊」を使用。 |
代表者氏名 | 住所 | 電話番号 | 中川忠峰 | 三重県伊勢市上地町1358-1 | 0596-25-5988 |
阪井正美 | 三重県伊勢市小俣町明野1164 | 0596-37-1820 |
根付には根付師の「銘」が彫られていることがあります。根付の裏側や底の部分に小さく刻まれている「正直」といった文字が彫銘です。 「正直」の彫名は江戸時代後期に名を馳せた伊勢の名工・鈴木正直一派のものである。正直の系統は今も続き、正直の真骨頂ともいえる小さく丸い、加えて独創性あふれる作品を世に送り出しています。